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ビジネストラベルフォーラム2018を開催しました

内山社長2.jpg2018年11月14日(水)シャングリ・ラホテル東京にて、第7回目となる「ビジネストラベルフォーラム 2018~Taking travel policy management to the next level~」を開催しました。今年のメイン・テーマとなる「出張規程管理(トラベルポリシーマネジメント)」や、「新たな経費支払管理ツールとして注目の高まるバーチャルペイメント」等のセッションに、グローバルに展開する企業の出張管理者を中心に約60名が参加しました。


まず代表取締役社長の内山博生は冒頭の挨拶で、「ここ数年で日本企業も出張の管理体制や運用方法を変えようとしている」とした上で、「出張プログラムの最適化のためにどのようにポリシーマネジメントをしていくかご紹介したい。今回のフォーラムが、より良い出張プログラムの構築、BTMの進化につながる良い機会となれば」と述べました。

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続いて事業戦略&開発本部、本部長の滝田祥丈が「可視化・効率化の次にあるものとは?」と題し、2016年、2017年に本フォーラムでも取り扱ったBTMに必要な「データ蓄積・一元管理の重要性」や、「出張者の満足度向上」「テクノロジーを活用したツール」といったテーマを振り返りました。そして「データが揃い、ツールも揃った、次に重要なのはトラベルポリシーマネジメントでは?」と問いかけました。近年日本でも出張データの可視化、コスト効率化が進んでいるが、実際の出張者と管理者、日本の本社と海外子会社の間でギャップが生じるケースも多々あり、どのようにポリシーマネジメントを行っていけばよいのか、テーマ設定の背景を説明しました。


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次にアメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル(以下、AMEX GBT)のグローバルビジネスコンサルティング、APAC統括のハリス・マンルタークが登壇し、出張規程管理におけるデータ活用の重要性を強調しました。「出張規程の運用」「費用の最適化」「戦略的ソーシング」「出張者の安全配慮義務(Duty of Care)」の4つに課題に対していかにデータを活用できるのか、分析ツールのデモンストレーションを交えて紹介しました。例えば、最安値購買の割合や出発日前購入の割合が変化するとどの程度のコスト削減効果が見込まれるか、各出張者のオンラインブッキングツールの利用割合が会社平均とどれぐらいギャップがあるか、またそのギャップを解消するとどの程度の効果が予測されるか、などが分析ツールで簡単に試算でき、そのようなデータをもって経営陣に規程の変更を促す、出張者自身の購買行動に変化を起こさせることが可能になる、といった具体例を提示しました。データを戦略的に分析し活用することが、机上の空論とならない出張規程の策定・運営にとって重要であると述べました。



後半のプログラムでは、前出の滝田祥丈から経費支払管理ツールとして注目の高まる「バーチャルペイメント最新情報」を、バーチャルペイメントを専門とするフィンテック企業、コンファーマ社(本社UK)の事例をベースに紹介しました。「バーチャルペイメントを活用すると、従来のプラスチックカードのクレジットカードとは異なり、出張毎に使用上限金額、期間、支払先等を設定することができ、また、毎回クレジットカード番号が新しく採番されるため、不正使用の他、紛失・盗難に対するセキュリティレベルも向上する」と説明。バーチャルペイメントを活用することで、ビジネストラベルの生産性を60%アップし、経費精算における手間を50%削減できるというコンファーマ社の調査結果も示しました。
実際の利用シーンとして、GDSのSabre社が提供する旅程管理アプリ、トリップケース(TripCase)などの旅程管理アプリにクレジットカード画像と番号が表示され、それを支払先で確認することで精算ができると紹介。また予約システムとカード会社を同社のシステムが連携させているため、出張者は経費精算の必要がなく、管理者側でもより充実したデータ収集が可能となることを紹介しました。日本では2019年からのサービス提供を予定しています。
「実際のオペレーションプロセスでは、旅程の急な変更があった場合、例えばホテルの延泊対応などの課題も想定されています。しかし、インターネット上を含めクレジットカード利用が急速に普及していることから、早晩日本でも浸透するのではないか」と述べました。AMEX GBTはコンファーマ社と10年以上をかけて開発を進め、既にアメリカ・イギリス・豪州で利用を開始しています。



今年初めての試みとなるパネルディスカッションでは、同じく滝田祥丈をモデレーターとし、実際にBTMを導入しているEY Japan株式会社の岩瀬康子氏と日興アセットマネジメント株式会社の黒川剛氏が登壇しました。各社の出張規程として「海外に拠点のある出張先にはフライトやホテルに上限金額を設定」「フライトの手配は2週間前を推奨」といった具体的な事例が語られました。また、出張規程を現場の出張者に理解・実行してもらうために「出張の手配を行うアシスタントや秘書並びに旅行会社に出張規程を理解してもらい協力を得る」「BTM導入後に得られたデータを活用し、トップマネジメントに各部門の実際の出張経費とベストプラクティスに沿って手配した場合のコスト削減可能性の比較を見せることで、部門間の競争意識を芽生えさせる」といった実践的な周知方法が紹介されました。
一般的に日本企業の出張管理責任部署は人事部、購買部、総務部など多岐に分かれており、また出張経費は各事業部門負担となっていることから強制力を発揮しにくいという現状がありますが、2社それぞれの「出張規程と運用」「データ集積」また「BTMのメリット発信」といった具体例で、参加者の注目を集めました。

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協賛各社によるプレゼンテーションでは、カンタス航空、日本支社長の荻野雅史氏から「A partnership that performs」と題して、豪州が国全体の施策として鉱業中心から旅行業を含め多岐に渡るビジネス展開を目指している状況が紹介されました。また、日本‐豪州間の旅行者はそれぞれ40万人程度でインとアウトが半々でバランスが良いこと、ビジネス利用におけるメリットについて説明がありました。



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セーバートラベルネットワーク、グローバルアカウント担当部長の小山真澄氏は「アジアパシフィック2018 Corporate Travel Trends -Travel Policy Management-」と題し、アジア太平洋地域におけるTMCや従来の旅行会社等72社に対して行った最新の調査結果を発表しました。結果のうち、企業における短期的な課題として「出張規程の順守」「出張経費の可視化は今後2年で更に重要に」なる他、今後2年間で重要性を増す課題として「時間を短縮して効率良いマネジメント」「危機管理」「データ収集・解析」が挙がったと指摘し、最後に同社が提供する海外出張予約ツール「ゲットゼア(GetThere)」を紹介しました。



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デルタ航空会社、東日本法人営業部長の平野英樹氏は「法人契約について」と題し、同社のネットワーク、大韓航空との共同事業、各クラスの座席、食事、アメニティ、寝具等を紹介しました。続けて、法人契約・企業向けサービスとしてPRISM社データによる「出張コストの見える化・出張者の動向分析」を行う他、営業担当者による定期会議、優先特典、「FlyDelta」アプリ等について説明しました。



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本フォーラムの最後には、会場となったシャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツのリージョナルセールスオフィス、セールスエグセクティブの福田公子氏から、ホテルの歴史や世界での展開、シャングリラブランド、出張でよく利用されるホテル、今後開業予定ホテルなどを紹介しました。



ラップアップ・セッションとして再度GBT NTAの滝田祥丈が登壇し、「ポリシーマネジメントは、大きく分けて策定と運用の2つの面がある。何を規程の目的/ゴールとして策定するのか、例えばコスト削減なのか危機管理なのか。また運用面では、誰に対してどのような情報を発信し、啓蒙するか、誰に管理権限が付与されるか、という点を踏まえて、現場レベルで工夫をしていかなければならない。また策定と運用という2つの歯車の土台となるのが、データ蓄積・分析である。これらの要素がすべてかみ合ってこそ、有効なポリシーマネジメントが機能する。我々GBT NTAは、各社の状況、ニーズに合わせ、充実したデータ蓄積、効果的な分析ツールを活用しながら、お客様のよりよいポリシーマネジメント、ビジネストラベルプログラムの最適化に貢献していきたい。」とし、今年のカンファレンスを締めくくりました。  


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