アジア・パシフィックについては、成長が全てです。2019年についてはインドや中国などの新興国の成長率が鈍化すると予測されていますが、地域全体の予測成長率は6.3%で、世界で一番成長している地域のひとつです。
2019年の一番大きな発展はより多くの中国国内の空港が海外の目的地への経由空港として利用が可能になった点です。2019年には中国とアメリカの間でオープンスカイ協定が結ばれる可能性があり、これによってアジア・パシフィック地域が根本的に変わる可能性があります。しかしながらオープンスカイ協定が進展する可能性と同じように、中国とアメリカの貿易戦争がエスカレートする可能性があり、それによって旅行業界に影響がでる可能性もあります。
アジアの航空会社は既に競争力を持つ路線に注力することで拡大してきましたが、今後はより競争的な路線や競合する航空会社のハブ空港にも進出する必要が出てきています。従来の航空会社はLCCとパートナーシップを結んでおり、より多くの需要を吸収しようとしています。ジョイントベンチャーも業界を形作っています。例えば、デルタ航空と大韓航空はパートナーシップを結び、仁川国際空港を地域のハブ空港として使っています。
アジア・パシフィック地域全体での運賃推移の見通しは中国、インド、オーストラリアに支えられて安定的です。一番見通しが暗いのは、香港、日本、シンガポールで、金融セクターの鈍化とプレミアムクラスのボリューム減少により運賃の下降が予想されています。
日本
日本の経済は消費者支出が改善し、穏やかな経済成長が予想されています。2018年に1.1%と予想されたGDPは2019年には0.9%と予想されています。インバウンド需要は引き続き強く、日本の消費者が経済に自信を深めた結果としてアウトバウンド需要も増加しています。
アウトバウンドについては、日本航空はジョイントベンチャーパートナーのアメリカン航空と協力し、北米を重点地域として、目的地を増やしています。全日空はユナイテッド航空とパートナーシップ関係にあり、国際線の容量を今まで以上に増やしています。
日本航空と全日空はこれまで日本の航空会社に対して高い運賃を支払う日本人のアウトバウンド旅行者に注目してきましたが、急成長を続けるインバウンドと増加し続ける交通量により、旅行者が日本のサービスに対して高い運賃を支払う可能性は減っています。
規制緩和と成長を続けるLCCセクターにより日本国内での航空運賃は下降傾向にあり、国内の飛行機での移動は、高速鉄道と比較して、より経済的な選択肢となっています。しかしながら、LCCのビジネス利用の割合はあまり高くありません。
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