データは常日頃から出張において重要な役割を果たしてきましたが、アメリカンエキスプレス・グローバルビジネストラベル（GBT）の最高技術責任者であるデビッド・トンプソンがPhocuswireの記事で説明しているように、再び世界中を安全に移動するために、データの重要性はますます高まっています。ここでは、デビッドの記事からいくつかの重要なポイントをご紹介します。


危機管理になくてはならない存在
出張者がリスクに直面したとき、出張者と出張管理者は、さまざまな質問に対して迅速で信頼性の高い回答を必要とします。危機管理の質問に答えるためにデータが活用されてきた過去の事例は、今日においてもデータが重要であることを示唆しています。


「幸運なことにトラベルマネジメントカンパニー（出張管理会社またはTMC）は膨大なデータを保有しており、企業がこの新しい時代における複雑な状況下でかじ取りをするお手伝いをするのに理想的な立場にいます。」とデビッドは述べています。


例えば、出張中に何らかの障害が発生した場合、TMC(出張管理会社)はリアルタイムの旅程表やクレジットカードのデータにアクセスし、出張者の居場所を特定して、支援が必要かどうかを判断することができます。


2019年初頭にボーイング737Max型機の安全性が疑問視され、出張管理者が該当する飛行機に予約している従業員を調べようとした際「予約された飛行機の機材情報を含む完全な予約記録にアクセスすることで、私たちは必要なデータをすぐに引き出し、ほとんどまたは全く混乱を招くことなく、迅速に予約を変更することができました。」とデビッドは説明しています。


健康情報デジタル化の必要性
空港で義務化されているCOVID-19検査は、現在の交通量（利用客の数）においてはまだコントロールが可能ですが、一部の出張管理者はすでに、出張者の免疫状態をプロファイルに含める機能を求めています。


接触者追跡が国境を超える要件とされる可能性もあり、その場合出張者はこのデータが雇用主に提供されることを受け入れなければならないでしょう。


デビッドが書いているように、「これらの対策を必要な規模で実施するためには、出張者のプロファイルデータへの安全で信頼性の高いデジタル接続が必要となります。そのため、TMC（出張管理会社）は、API接続を容易にサポートできるエンドツーエンドで（訳注：端から端まで）出張管理用に設計されたシステムを持つ必要があります。


旅行者からの質問への回答
「この国への渡航は可能ですか？」
「どのような書類を提示する必要がありますか？」
「健康リスクのレベルは？」

これらは今旅行者が予約する前にまず聞く質問です。あちこちのサイトからサイトへと飛び回って答えを探し回る手間をなくすために、GBTは必要な情報を一箇所で見つけられる検索ツールを開発しました。


「当社が独自で開発したTRAVEL VITALS™は、政府、航空会社、公衆衛生のウェブサイトを検索する代わりに、１つのサイトを見るだけで詳細な回答を得られる場所を提供しています。データ検索が簡単で、個別の旅行ごとに情報収集ができ、またGBT の顧客であるかどうかに関わらず、すべての旅行者に利用いただけます。」と デビッドは述べています。


一貫した基準作りのための協力
業界団体でも、誰もが理解でき、簡単に実施できる一貫性のあるユニバーサルな旅行基準作りに向けた協働の取り組みが始まっています。


このような共通の基準には、空港や鉄道のセキュリティチェックポイントでの非接触技術や生体認証データの更なる利用が取り入れられる可能性が高く、セルフサービスの手荷物預かり所、搭乗ゲート、空港の小売店や免税店でのデジタル認証を要望する声もあります。


「このことは、円滑な手続きのために旅行者が自分の情報をデジタルで提示する必要があるということを意味しています。」


旅行を促進するためには、今後異なる国や地域同士の協力が鍵となるでしょう。


デビッドは、「旅行業界エコシステム全体のTMC（出張管理会社）やサプライヤーは、政府や業界団体と協力して、安全な旅行のための正しい基準を作りに奮闘していかなければなりません」と述べています。


それが実現した時には、「旅行者は安心して旅を再開することができ、旅行会社にはボリュームと収益が戻り、出張が再び人々を結び付けることで、世界経済は繁栄するでしょう。」


Phocuswireの記事全文はこちら（原文英語）。


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